「まあ、確かにこのクラスっていつも平均点高いよね。田鍋さんのお陰かもしれないけど」

「あ、そっか。田鍋さんがいるからかー。いっつも満点だもんね」

と私は納得した。

「今回はいつも点数の悪いひかりがいい点数とったからっていうのもありそうだけどね」

と葉月が言う。

「ちょっと！それどういう意味？」

「そのまんまの意味だよーん」

「もー！！でも田鍋さん、すごいよね。毎日ずっと勉強してるし」

ずっと参考書を解いている田鍋さんを横目に、私は言った。

「ああ、なんか大学の特待生枠狙ってるらしいね」

「そうなの？」

「うん、なんか田鍋さんって父子家庭みたいでさ。色々大変らしいよー」

「葉月詳しいね。仲いいの？」

「中学一緒だったから、そういう噂よく聞いてたんだ」

「ふうん」