よかった、どうやら話はそれだけのようだ。

私はすぐに教室に戻ろうとした。

すると…。

「待って!」

颯に手首をつかまれた。

「実は、俺ずっとひかりに言いたかったことがあったんだ…!」

ま、まさか…。

「俺、ずっと前からひかりのことが好きなんだ!俺と付き合ってほしい!」

や、やっぱり……!

「えっと……あの………」

どうしよう、まだ返事はどうするかなんて考えてなかったよ…!

なんて返事したらいいの…!?

私が口ごもっていると、

「あの、返事はまた今度でいいから!それじゃ!」

そう言って、颯は先に教室に戻っていった。

よかった…この場はどうにかなった…。

でも、どうしよう…返事……。

教室に戻ると、葉月が話しかけてきた。

「どうだったの!?」

「ああ……えっと、返事は今度でいいって言われた」

「そうなんだ。…返事どうするの?」

「返事はするよ!するけど…なんて返事すればいいのか……」