葉月side

「あ~あ、やっぱりひかりは運命の人じゃなかったかあ……」

私は、“本物の”未来予知botのメッセージ画面を見て、呟いた。

【ひかりがあなたを騙して、あなたを殺そうとする】

私は、今まで同じようなことを繰り返して、運命の人を探してきた。

好きな人と、ドラマチックな過程を経て、永遠に結ばれるために。

だけど、なかなか運命の人とやらは現れない。

未来予知botの予知を覆してくれるような、運命の人………。


私が、初めてこの未来予知botに出会ったのは、中学二年生のときだった。

「ねえねえ、未来予知botっていう面白いアカウントあるんだけどさ!」

当時、親友だった同じクラスの若菜(わかな)がそう言った。

「なにそれ?」

「このアカウントをフォローするとね、自動的にメッセージが届くんだって!それで、メッセージに書いている通りのことがその日のうちに起こるんだって」