「ごめんね、ひかり……。ずっと硬い床に寝てたせいで体、痛むでしょう?」

「ううん、平気だよ。このくらい。それに、葉月が今まで味わってきた痛みに比べたら全然だよ」

「私が、今まで味わってきた痛み……?」

葉月が問い掛ける。

「うん。だって、こんな大掛かりなことするまで、きっと葉月はたくさん悩んできたんでしょう?本当は、私と幸せになりたかったはずなのに、それが叶わないって思って、何度も何度も苦しんだでしょう?」

「ひかり……」

再び、葉月の目から涙が零れ落ちる。

「もう、一人で悩まなくていいんだよ」

私は、葉月が床に置いたナイフを拾い上げた。






「だって、もう悩む必要なんてないんだから」






そう言って、私は葉月の心臓に思い切りナイフを突き刺した。