「……」

「でも、ここまで順調に計画が進んだのは、ひかりのお陰だよ!ひかりがバカだったから、色んな矛盾にも全然気付かずに事を進めることができたよ。…あいつのせいで何もかも台無しになったけどさ」


そう言って、葉月がさっきまで颯がいたところを見る。

そこには、血だまりができていた。

全て…颯の血だ。

「…とも」

「ん?」

「私のことも、……殺すの?」

私は、恐る恐る葉月にたずねた。

「う~ん、そうだね!」

「どうして……。さっき、言ってたじゃない……私のことが好きだって、幸せにしたいって!だから、こんなひどいことまでしたんでしょう!?それなのに………」

「だって、もうあなたは幸せにはなれない。あなたは、全てを知ってしまったから」

「そんな、わざわざそっちから真実を言ってきたくせに!」

「そうするしかなかった。田鍋が生きていたことを知ってしまったときから、もう全て終わっていたんだよ」

悲しそうに、葉月が言う。

「だから、お別れだね」