「……どうやって、田鍋や颯を従わせたの?」

「金だよ、金」

颯が答えた。

「お金……?」

「ああ。俺と田鍋の家は貧乏で、大学に行く金もなかった。田鍋は、どうしても行きたい大学があったらしい。まあ、俺は大学なんてどうでもよかったんだけどな。ただ、遊ぶ金が欲しかった、それだけ」

そういえば、葉月の家はかなり大きかった…。

颯は、葉月のお金に釣られていただけ。

私のことを、愛してなんていなかった…。

「私の家、結構お金持ちなんだよね~。お金なら、いくらでもあるんだ~。ふふふっ。

……まあ、ひかりと颯が結ばれるところまでは順調だったんだけどさ、ひかりが間違って田鍋のこと殺しちゃったでしょー?もうそこから計画は台無しってわけ。

本当の計画ではさ、そもそも二人が結ばれたところでハッピーエンドだったんだよね。それなのに、こいつがさあ!!」

葉月が、颯の腹を思いっきり踏みつける。