「そう!ちょうどひかりが颯のこと好きそうだったから、二人のことをくっつけようとしたの!男の颯となら、ひかりも変な目で見られることなく幸せに過ごせるでしょう?

…でも、ただ平凡な幸せだけじゃダメ。愛には障害がないと、全然ドラマチックじゃないでしょう?
障害がないと、愛は深まらない…。

だから、田鍋にヘイトを集めるようにして、ひかりが田鍋を殺したように思わせたってわけ。そして、その死体を颯が隠すことで二人だけの最高のドラマチックな秘密をつくったの。

けど、それだけじゃあ足りなかったみたいだから、私も死んだフリをして更に二人の秘密を大きくしてあげたの。

他にも、田鍋を使って二人を襲わせたりして、危険を乗り越えたり、お互い守りあったりするようにして、二人の愛を深めてあげたの。

ふふっ、お陰で二人は結ばれたんでしょう?

よかったよ、ひかりがバカで!

私と田鍋が本当に死んでいたとすれば、何日も家に帰ってこない…。さすがに家族が心配して警察に通報するはずでしょ?学校だって、情報を集めるために生徒に呼びかけたり、注意したりするはず。それがなかったのに、ひかりは私達が死んだことを全く疑わなかった。

ふふふっ、ひかりって本当にバカだねーー!まあ、そこが可愛いんだけどさ」

笑う葉月の目は、どこにも光がなくて、ただただ闇が広がっていた。

気持ち悪い…。