「ちげーよ、あれは俺がわざと車に轢かれる前に、ひかりがマジで轢かれそうになったんだよ。あれはマジびびったわ。お陰で予定以上の怪我負ったし…」

「え?そうだったの?」

葉月は颯のほうを見る。

「ああ、そうだよ」

颯が不機嫌そうに言う。

「ま、そんなのはどうでもいいや♪」

「おい」

「他にも、隣のクラスから英単語テストの範囲を教えてもらったりとか、未来予知botを信じ込ませるためにわざと階段に落ちたりとか、大変だったんだよ~」

「おい、俺が一番大変だろ。腕まで折ったんだぞ?」

「まあまあ、いいじゃんそんなこと。

ひかりが田鍋を憎むように仕向けるのも、結構大変だったんだよ~?イタズラ電話とか、ひかりの飼っていたでっかい犬…えっと、名前なんだったっけ?」

「レオン…?」

私は、小さな声で答えた。

「そうそう、レオン!あいつを殺すために毒を調達したりとかね!」

そんな……ひどい……。

こんなことのせいで…レオンは殺されたっていうの?

「…なにもかも全部、葉月が仕組んだことだったの?」

私がたずねると、

「うん、そうだよ」

と笑顔であっさりと、葉月が答える。