葉月は、語り始めた。

「そもそもね、未来を予知してくれる未来予知botなんて便利なものは存在しないの。これは、私がつくったアカウント。恐怖から救ってくれるヒーローのことは、嫌でも好きになっちゃうでしょ?だから未来予知botはひかりに恐怖を与える、そしてヒーロー役に颯。そして恋のライバルの存在も、愛を深めるためには必要でしょ?だから、そのライバル役には完璧美少女の田鍋を選んだの!」

「葉月が…未来予知botを……?でも、葉月がスマホ触っていないときにメッセージが来たことがあったよ…?」

「ふふっ、バカだねえ。本当にバカ。そんなの簡単だよ。私以外の人が操作していた。それだけだよ。私がひかりの近くにいるときは田鍋や颯が操作していた。それだけだよ」

「そうだったの……」

「そして、未来予知botの予知でひかりに恐怖を与えるためには、ひかりに未来予知botのことを信じてもらわないといけない。だから、色々仕組んでいたってわけ。わざと颯が車に轢かれたりとかね」

葉月がそう言うと、颯が割り込んできた。