「それって………」

コツコツと何者かの足音が近づいてくる。

「ほら、黒幕さんのお出ましだ」

「ちょっと、黒幕とか人聞きの悪いこと言わないでくれる?」

そう言って現れたのは、葉月だった。

「は、葉月………。嘘………葉月も、死んだんじゃなかったの……?」

「だーかーらー、葉月も死んだフリをしていただけだったんだって。さっきも言っただろ?本当にバカだなあ」

呆れたように颯が言う。

「そういうバカなところが可愛いんだよ、ひかりは」

そう言って、葉月が笑う。

「ねえ、どういうこと……わけわからないよ……説明してよ……葉月!!」

私は、葉月に訴える。

「ふふっ、いいよ。教えてあげる。ぜーんぶね…」