「うぅ………」

目を開けると、私は暗くて冷たい部屋で手足を縛られていた。

「ここ……どこ………?」

「ここは、地下室だ……」

聞き慣れた声がすぐそばで聞こえてきた。

颯だ。

颯も、私と同じように手足を縛られている。

「颯……!?どうして……あのとき、死んだはずじゃ………」

「お前さあ、本当にバカだよな。最初に田鍋を殺したと思ったときもさ、ちゃんと脈はからなかっただろ?あれは、田鍋が死んだフリをしていただけだ」

「え……」

「もし、ガチで死にそうになっていたら、死ぬ一歩手前で俺がひかりを止めるっていう計画だった。でも、ひかりは田鍋の死んだフリにまんまと騙された。本当にすごいよな、田鍋って。まあ、計算違いで死んでしまったけどな………」

「なに……どういうこと…。意味わからないよ……」

「はあ…やっぱりお前はバカだな。今、手が自由に動かせたら頭を抱えているところだ。でもまあ、そのうちぜーんぶわかりやすく教えてくれる奴が現れるよ」