「そんな………」

いや、それよりも………。

田鍋さんは、私があのとき…林の中で首を絞めて殺した。

あのときの感触は、夢なんかじゃない……確かに、現実だった。

そして、その死体は颯がバッグに詰めて処理してくれたはず……。

それなのに、田鍋さんは生きていた……!

そして、どうして田鍋さんはここに……?

何故、今まで私達のことを襲ってきたの……?

わからないことだらけだ。

「あ、あの…ひかり………」

頭を抱えている私のところに、気まずそうに颯がやってくる。

「颯…どういうことなの!?田鍋さんは、私があのとき林で殺したんだよね!?そのはずだよね!」

「そ、それは……」

「颯がその死体を持っていって隠したんだよね!?そう言ってたよね!?なのに、なのにどうして……!」

「えっと……」

「わけわかんないよ!答えてよ、颯!!」

私は、颯に詰め寄る。

颯は、なかなか口を割らない。

そのときだった。

「ぐあああっっ!!」

颯が、叫び声をあげて倒れた。

「は、颯!?」

返事がない。

は、颯が死んだ!?

どうして、突然……。

色々なことが起こりすぎて、頭での処理が追いつかない。

倒れた颯の後ろには、謎の人物が立っていた。

「あーあー、マジで殺しちゃったんだねぇ。計画は失敗かあ……上手くいくと思ったのになあ」

「だ、誰…あなた……」