未来予知bot

パーカーの人物が汚い声をあげ、体をよじらせる。

そのとき、被っていたフードと、口元のマスクが外れ、素顔が露わになる。

「え……」

その顔を見て、私は手を止めた。

「なんで……なんで、田鍋さんが………」

そう、私が何度も何度もナイフを振り下ろしていた相手は、私達のことを何度も襲ってきた相手は、私が殺したはずの田鍋さんだったのだ。

「嘘…どうして…田鍋さんが…………」

私が戸惑っていると、田鍋さんは体中から溢れる血を押さえながら部屋から逃げ出した。

「ま、待って!!」

私は田鍋さんの後を追いかけようとする。

「いっ、嫌だ!死にたくないっ!!」

私の顔を見て怯えた田鍋さんは一目散に階段へ向かう。

「あっ……」

足を踏み外してしまった田鍋さんは、そのまま一階へと落ちていく。

「た、田鍋さん!!」

私は、急いで階段を降りて田鍋さんの元へ向かった。

「田鍋さん…?ねえ、ちょっと………ねえってば」

何度も何度も呼びかけるが、田鍋さんは返事をしない。

田鍋さんの目は、どんよりと濁っていた。

もう、死んでいる………。