翌朝、教室に着くとクラスメイトの数人が楽しそうに喋っていた。

その中には颯の姿もある。

そのグループはお喋りが盛り上がっているようで、私が来たことなど全く気付いていないようだった。

私はあまり颯のことを見ないようにして席に着いた。

「ひかり、おはよう」

葉月が言う。

「うん、おはよう」

私も言う。

「あ、ひかりおはよー」

颯が私に気付き、話しかけてきた。

「……」

私が黙っていると、

「ひかり?颯君が挨拶してるよ?」

と葉月が言ってきたので、仕方なく私は、

「……おはよう」

とあまり颯の顔を見ずに、無愛想にそう言った。

「お、おう……」

颯は気まずさに耐えられなくなってしまい、さっきまで楽しく喋っていたグループに戻った。

「ちょっと、どうしたのひかり。いつもは颯君とすっごく仲良いのに…。喧嘩でもしたの?」

葉月は心配そうにそう言ってくれた。

「そういうわけじゃないけど…」