私達は無言のまま靴箱に向かって歩いて行く。

どうしようどうしよう…颯に告白されるなんて…。

返事とか、どうしたらいいんだろう…!?

私はパニックになってしまった。

そのとき、葉月の言葉を思い出した。

そうだ、未来を回避したらいいんだ!

颯に告白されるっていう未来を!

「ごめん、颯。私そういえば数学科の職員室に行かなきゃいけなかったんだ!先に帰ってて!!」

「え、あ…そうなんだ。わかった。じゃあ、また明日な」

「うん、また明日!」

そう言って、私は逃げるようにその場を離れた。

「ふう…」

これでなんとか、颯に告白されるっていう未来はなくなった。

でも、颯は私のことを好きなままだ。

きっとまた告白してこようとするだろう。

その未来を毎回こんな風に避けるのは難しい。

颯に絶対告白されないようにするためには…。

「颯に嫌われるようにするしかない……!!」