そりゃそうだよね、だって今日は特別な日になるから…。

少しして、颯はお茶を持って部屋に戻ってきた。

「ありがとう」

「いやいや、ひかりは客なんだから、こんくらい当たり前だよ」

そう言って、颯も腰を下ろした。

「お茶、冷たくて美味しい」

持ってきてもらったお茶を飲んで、私は一言呟いた。

「ああ」

颯が返事をする。

「…」

「…」

颯の緊張が私にも感染ってしまい、なんだかうまく話せない。

「今日、いい天気だな」

颯が言う。

「そうだね」

私が返事をする。

「…」

「…」

なかなか会話が続かず、気まずい空気が流れてゆく。

今日は、特別な日になるのに…このままじゃダメだ。

「「あのさっ……」」

私の声と颯の声が被った。

「あ、颯からでいいよ」

「いや、ひかりのほうが早かった気がするし、ひかりからでいいよ」

「あ、えっと……。お腹空いたし、そろそろお昼にしない?」