それからは、何もかも順調だった。

まるで、私達は誰も殺していないかのように、恋人としての時間を過ごしていた。

前のように手を繋いで登校したり、帰りにちょっと寄り道をして放課後デートしたり…。

そして、ある日の帰り道でのことだった。

「明日、俺の家親いないんだけどさ……」

颯は顔を赤く染めながらそう言った。

「え……」

それってそれってそれってそれって!

そういうこと…だよね?

バカな私でもさすがにわかる。

「うん、絶対に行く!」

「お、おう……」

明日が楽しみだな……。

ついに、颯と……。

「ふふふっ」

「な、なに笑ってんの?」

「別に~」

「なんかバカにされているみたいで、ちょっとムカつく…」

颯は、子どもみたいに頬を膨らませた。

「ふふふっ」