「あ、今日お母さんいないんだった。どうしよう」

ひかりが心配そうな顔をする。

「どうしようって、別に二人でもいいよ?」

「でも、たくさんいたほうが安心するでしょ?」

「まあ、そりゃそうだけど……」

「そうだ、颯呼ぼう!確か、今日は部活は午前で終わりのはず」

「いいの?わざわざそんなことしてもらっちゃって」

「いいんだよ、颯も頼りにしてほしいみたいだし」

そう言いながらひかりはスマホで颯君にメッセージを送った。

【部活終わった後、家に来てもらっていい?】

「あとは返信を待つだけ。葉月、お腹空いたよね。なんか作るよ!」

「えっ、いいよ。そこまでしてもらったら悪いよ」

私は遠慮するが…。

「いいっていいって!私達、親友でしょ。そのくらい気にしない気にしない!」

と言って、ひかりは台所で調理をし始めた。

親友…ねえ。

親友なら、隠していることも教えてくれたらいいのに…。