「葉月の家って大きいよね。ベッドも、二人で寝ても全然余裕じゃん」

「そうかな?」

「そうだよ。そういえば、お風呂も三人くらい入っても余裕そうだったし…。もしかして、葉月の家ってお金持ち?」

「そんなことないよ~」

謙遜する葉月。

「え~、絶対お金持ちだよ。私の家とは全然違うもん。私の家、貧乏だし」

「そう?ひかりの家は普通だよ、普通」

「ってことは、やっぱり葉月の家はお金持ちってことだ」

「…誘導したな。バカのくせに!」

と葉月は私の頭をコツンと叩いた。

別に痛くはなかった。

「あーん、そんなに叩くと余計バカになってしまうー!!」

「もう十分バカだよ」

「ははは、やっぱりひどい……」

「そういえば今何時かな?」

葉月がスマホを開いて時間を確認する。

スマホの光が眩しくて、私は反射的に目を瞑った。

「何時だった?」

私がたずねると、

「…0時2分」

と葉月が答えた。