申し訳なくて自虐的に言うと
「お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ」
と返された。
「昨日、お姉ちゃんの友達が送ってくれた」
「……うん。なんとなく覚えてる」
「あの人のせいなんでしょ。お姉ちゃん、体調悪くなったのも。
何があったか聞いたよ。
ママ達には言わなかったけど、心配事増やすだけだし。
やっぱりあの人にもう関わらないほうがいいよ。
お姉ちゃんも言ってたじゃん、不良には関わるなって。
なんでお姉ちゃんは関わるの?」
「……」
「何かあるんでしょ? 私、そういうのわかるよ」
と鋭く響いた。
『移植してから変わった』
美織がママに言った言葉を思い出す。
柚月もときどき自分がわからなくなることがあったし、
美織がときどき柚月の変化に敏感に反応することがあるのにも気づいてはいた。
だけど変化全てが、それに繋がるわけではないと今は言える。
だから、はっきり伝えておこうと思った。
「あのね、美織」
「うん?」
「実は、彼を初めて見たときにすごい懐かしい感じがしたの。
もちろん、彼に会ったことはないって言われたから、懐かしいも何もなくて気のせいだったんだけど。
でもそれからちゃんと彼と一緒に過ごして、自分が好きなんだって気づけたから、今は友達だけど一緒にいたいんだ」