「はよ」

「おはよう」

玄関を開けると幼馴染の観月雪斗(みづきゆきと)がいた。雪斗とは小学生になる前からずっと家ぐるみでの付き合いがある。

流石に高校生になったらもう一緒に通学してくれないんじゃないかと思っていたけれど杞憂だったらしい。

「同じクラスになれるといいね」

「そうだな」

「友達できるかな」

「できるだろ」

ちょっと怖そうな見た目をしているこの幼馴染の優しさにニヤニヤしつつ、たわいもない話をしながら学校への道を並んで歩いた。