俺が返事すると沈黙が流れた。


この時間は何だ。


と思っていると、

参謀を担当している蒼龍(そうりゅう)が話しだした。



「すみません死神。

この子達緊張しているみたいで。」



「…そうか。」


そう返事はしたが、

やはり危惧した通り何もすることがないのだろう。


…帰るか。



「赤龍、約束は果たした。」


そう告げるとバイクに跨った。



「ま、まって!

私も話したいことあるの!」



赤龍の話…


それだけ聞くか。



「このまま聞く。」



「ありがとう…!


…私ね、野バラに助けて貰ったことがあるの!

死神と野バラってコンビ組んでたでしょ…?

だからその、

野バラにありがとうって、伝えてくれる…?」




詩音にか…

こいつらと詩音は本当に出会う運命だったんだな。



「分かった。」



「ありがとう!

あと、その、これ!」



赤龍はそういうと俺に近づいて袋を前に出した。



「あの時の服、ありがとう!


死神にも助けられちゃって、

私もまだまだ鍛えるようにしなきゃね。」



赤龍が笑顔でそういう。


その顔が何だか野バラに似ていて、

自然と頭に手がいった。



「え、しに、がみ…?」



頭を少し撫でてから袋を受け取った。



「ありがとう。じゃあな。」



俺はそういうとバイクを走らせた。