「最近がんばってるわね」 「うん、わたしも誰かを助けてあげられる人になりたいから」 「美樹はすごいね」 お母さんはあの日以来わたしをすごく心配してくれた。 多分すべてをわかっているんだと思う。 それでも深く聞いてくることはなくて、ただ見守ってくれた。 わたしはあれからバスには乗っていない。まだ勇気が出ない。 でもいつかは乗れるようになりたい。 ―――弱い自分にはなりたくないから。