学校をでるときに後ろを振り返ると 「卒業おめでとー」 と微笑む海斗の姿が一瞬みえた気がした。 「海斗も、卒業おめでとう」 一緒にはできなかったけれど、それでも海斗はたしかにここの生徒だった。 「美樹、なにしてるの、はやくいこ!」 「ごめん、いまいく!」 わたしは学校を背に走り出した。 もう、涙はでなかった。 わたしは笑って卒業した。