グラスに酒を注ぐサターンも、マーキュリーの隣に立つネプチューンも、表情は暗い。この部屋がどうなるか知っているからだ。

しばらくすると、地面の下から耳を塞ぎたくなるような悲痛の叫び声が響いてきた。ネプチューンとサターンは顔を歪め、マーキュリーは驚く。ジュピターは心地よさそうに目を閉じ、悲鳴を聞いていた。

「お前は内部調査をしてどうするつもりだったんだ?答えろ!!」

マーズの怒りに満ちた声が響く。拷問をされている人物は、泣きながら言った。

「頼む!許してくれ!!先月に娘が生まれたばかりなんだ!!」

「話にならないわぁ〜!指を切り落としましょう!」

ヴィーナスがそう言った刹那、さらに大きな悲鳴が部屋に届く。

この部屋の真下が拷問室となっていて、拷問されている人物の悲鳴などが全部聞こえるようになっているのだ。

恐ろしい悲鳴や会話は何時間も続いた。すぐには死なないよう二人は弄んでいる。ジュピターも満足げに微笑んでいた。

そして、ジュピターが立ち上がり地下へと向かう。ネプチューンがマーキュリーを見ると、彼女は耳を塞いで震えていた。その目には、涙。

「もう充分楽しんだ。始末は私がしよう」

その声がした次の瞬間、ドンと乾いた音がした。ジュピターが銃で相手の心臓を撃ち抜いたのだ。