安堵したのもつかの間、すぐに怒りが込み上げてくる。うつらうつらしている男の背中をバシッと叩くと、「いてっ」と小さな声が漏れた。
「びっくりさせないでよ! また病気かも、とか最悪なことまで考えちゃって、どうしようって思ったんだから!」
「はい、すみません」
横になったままでも一応起きている耀は、胸倉を掴むくらいの勢いで文句を言う私に平謝りした。
どんだけ眠かったんだか、と呆れつつふくれっ面をしていると、彼は仰向けになって私の頭に手を伸ばしてくる。
そっと頭を包み込み、とろんとした瞳で優しく微笑まれたら、怒る気持ちが呆気なく萎んでいく。
「驚かせてごめんね。なっちゃんがそんなに心配してくれるとは思わなかった」
「するに決まってるでしょ」
再び謝る耀を見下ろして真剣に即答すると、彼の顔から笑みが消え、真面目な表情に変化した。
ふたりの視線が絡み合う。依然眠そうな瞳に、わずかな情熱が宿ったように見えたとき、彼の唇が突拍子もない言葉を放つ。
「今、すごく抱きしめたい。ていうか、抱きしめる」
高糖度なセリフに心拍数が跳ね上がり、思わず「は?」と困惑気味の声を漏らした。その瞬間、頭をぐっと引き寄せられる。
「びっくりさせないでよ! また病気かも、とか最悪なことまで考えちゃって、どうしようって思ったんだから!」
「はい、すみません」
横になったままでも一応起きている耀は、胸倉を掴むくらいの勢いで文句を言う私に平謝りした。
どんだけ眠かったんだか、と呆れつつふくれっ面をしていると、彼は仰向けになって私の頭に手を伸ばしてくる。
そっと頭を包み込み、とろんとした瞳で優しく微笑まれたら、怒る気持ちが呆気なく萎んでいく。
「驚かせてごめんね。なっちゃんがそんなに心配してくれるとは思わなかった」
「するに決まってるでしょ」
再び謝る耀を見下ろして真剣に即答すると、彼の顔から笑みが消え、真面目な表情に変化した。
ふたりの視線が絡み合う。依然眠そうな瞳に、わずかな情熱が宿ったように見えたとき、彼の唇が突拍子もない言葉を放つ。
「今、すごく抱きしめたい。ていうか、抱きしめる」
高糖度なセリフに心拍数が跳ね上がり、思わず「は?」と困惑気味の声を漏らした。その瞬間、頭をぐっと引き寄せられる。



