「言ったでしょ、なっちゃんは素敵な人だって。君のいいところも欠点も全部含めて、僕はずっとそう思ってるよ」


からかっているでもない真摯な声がまっすぐ胸に届いて、心が揺れ動く。私をまるごと包み込んでくれるようなその言葉に、不覚にも涙が出そうになった。

耀は甘やかしすぎだ。……でも、私はずっと、ありのままの自分を受け入れてくれる人を求めていた。

きっと、耀と初めて会話したときも、他の人とは違う彼がそういう存在になってくれることを望んだのだと思う。

それがうまくいかなくて、意固地になって『大嫌い』と言った。

本当は、誰より好きだったのに。

過去の想いを認めたらさらに恥ずかしくなり、潤む瞳を逸らしてボソッと呟く。


「……変な人」


あぁもう、可愛げのないことしか出てこないのね、この口は。今こそ“ありがとう”と返すべきだったのに。

自分の愚かさに内心落ち込み俯いていると、耀の軽く笑う声が耳をくすぐる。彼は私の髪を撫でる手を止めず、穏やかな口調で言う。