彼が喘息を患っていて、あまり激しい運動はできないのだと知ったのはそのあと。

酷いことを言ってしまったと後悔したが、あの頃は素直になれずに謝ることができなかった。耀は、そんな私に対しても優しい態度を貫いていてくれたから、それに甘えてしまっていたのもある。

結局、謝れないまま卒業して、別々の中学に進んでしまった。その仕返しをするということは、やはり私は嫌われているのだろう。

自業自得だと落ち込みつつ昔を思い返していたとき、大事なことをまだ聞いていなかったとはっとする。


「そういえば、病気はどうなった!? よくなったの?」


俯きがちになっていた顔をバッと上げ、心配げな表情を隠さずストレートに問いかけた。離れてからも時々気にしていたから。

耀は驚いたのか目をぱちくりさせたあと、ふっと頬を緩めて穏やかな表情に戻る。


「おかげさまで、今では完治しました」

「そう……! ならよかった」


いい答えが聞けて胸を撫で下ろし、自然と笑みがこぼれた。精神的にも肉体的にも、辛い思いをしなくてよくなったことがわかり、心から安堵した。