私の印象、どんだけ悪かったのよ……と情けなくなる。しかし、彼の表情はとても幸福そうで、からかっているだけのようには見えない。


「だからかな、他の誰に褒められるより嬉しかった。僕の絵を見たときの君の顔も、今でもしっかり覚えてる。初めて見たなつみのキラキラした笑顔に、息が止まるくらい惹かれたことも」


美しく澄んだ瞳を向けられ、その視線とストレートな言葉に心臓を射抜かれた気がした。

あのとき自分がどんな顔をしていたかまではわからない。ただただ、彼の絵に感動していただけ。耀にとっては、そんなに印象的だったのか。

同じ、だったんだ。私が彼に対して抱いていた感覚と同じものを、彼も──。

私は言葉を返すのも忘れて、胸がときめくのを感じていた。初めて男の子を好きになったあの頃に、タイムスリップしたみたい。


「その出来事があったから、将来は絵を描く仕事をしたいっていう夢ができた。再会したときにも、君が僕のイラストを好きだって言ってくれたこと、ものすごく嬉しかったよ」

「あ……」