耀はクスクスと笑って私の手をそっと退け、指を絡めながら唇を近づける。愛を確かめる口づけを皮切りに、おしゃべりはしばらくできなくなった。

濃密になっていくキス、熱く溶かされそうな愛撫、セクシーな表情──初めて五感で感じる彼のそれは、どれもが媚薬のように作用して、私はなすがままに乱れた。

素肌を重ね合わせてひとつになったとき、快感と悦びが全身を駆け巡る中、耀の吐息混じりの声がとびきり甘く囁く。


「好きだよ……なつみ」


初めて名前を呼ばれ、うっすら開けた瞳にじわりと涙が滲む。これだけで、天に昇れそうなほど幸せだ。


「……私も、大好き」


陳腐だけれど自分の想いを伝える精一杯の言葉が、自然と口からこぼれた。

これからは、もっと優しく、素直な気持ちを表そう。今みたいに、彼の幸せそうな笑顔をこの先もずっと見ていたいから。