『いやでも聞こえるじゃんか。エリの奴…』

男の甘い声音から意識を逸らそうと、親友のくせにこの状況を仕組んだ相手に怒りをぶつける。

『もうとっくに忘れてんのに。今更何になるっていうのよ――』