雪原の蛍




ハルキは泣きそうな顔をしたまま、頷いた。

嫌いで別れたわけじゃなかった。

ただほんのちょっとのすれ違いとタイミングが合わなかった。

たったそれだけのことで、二人の道は大きく分かれてしまった。

それでももしかしたら、元に戻れるかもと、思っていたのは俺だけだった。
彼女の中で、もうとっくに答えは出ていた。

ーーーそれがわかってしまった。