ー 東京 某サウンドスタジオ ー

「 アレ。 今日 Sスタ 空いてなかったっけ? 」

ミナトはスタジオの入口の “ ON ” を見て ロビーに引き返した。

「 あっ。シン君、一人で使ってますよ。

最近、 てか……ここんとこ毎日。

スタジオとジム通い みたいですよ。」

受け付けのスタッフが PCのスタジオ表の画面を覗き込む。

「 あ……そう。 へぇ~そう なんだ。」

ミナトは肩に掛けていた ベースをロビーの椅子に座らせると、それをじっと見つめた。