「この手紙、要らないことが多すぎて知りたい事が全くないんだけど!!

抱き枕のくだりとか本体事すっごく要らないんだけど!!?

てか本当旅って何よ?!旅って!」




そうして、捲し立てると恵志は電話の向こうで渋々声を出す。




「だからぁ、こうしてあぁして、こうなったんだ「おい。」ごめんなさい。

実は―――――ってわけなんだよ。」





ふざけたことを言おうとした恵志に低い声で威圧をかけて、本当の事を話させるととんでもない事が分かってしまった。






それを理解していただくには、もっと細かい説明をするんだけど、




うちの家は今、私と恵志それから5つ歳上の恵雅(けいが)って言うお兄ちゃんの3人家族。





歳は私と恵志が17歳、恵雅が22歳。





恵雅は社会人で、この前昇進して今は営業課の課長って言ってた。




今は会社の近くのマンションに一人暮らし。




母さんと父さんは、私が12の時に交通事故で死んだ。




でも、私たちは3人いるから寂しくはなかった。






うちの家は代々って言ったら可笑しいけど、所謂(いわゆる)不良一家?ってヤツで。






学生時代の母さんと父さんは、ヤンチャ仲間だった。








ある日、女の癖に調子乗ってる、と男の先輩に目をつけられた母さんは十数人にリンチされそうになってるところ、父さんの助っ人により無事に帰還できて、それがきっかけで二人は付き合い、ゴールイン。







そして、恵雅と私、恵志が産まれたワケだ。