『恵咲へ


おはよう!愛する我が片割れよ!良い夢は見れたかな?



お前は俺と同じで朝に滅法弱いから、兄ちゃんは心配で心配で、夜も起きれないよ!



*つまり、普通に寝れている*



いいか?

起きたらちゃんと朝飯の前に歯を磨いて、顔を洗って、



それから兄ちゃんが作ってやったトーストとゆで卵をしっかり食べて、


*それを作ったと言うなら、他の料理はもはや芸術だ*


制服着て学校行って、それから―――――――――――――――――――
それで、夜はしっかり暖めて寝ろよ?


*文の半分以上が割愛*


さて、兄ちゃんの心配事はここまでにして、本題に入ろうか。


*本題が遅すぎる*


恵咲・・・・・・俺は少し旅に出てくることにした。



*もはや唐突すぎて何もつっこめない*


従って、留守番を頼んだぞ!!


*何に従えばいいんだよ*


寂しかったら、俺の部屋に俺の等身大の抱き枕を置いておいたから、それを抱えて寝るように。



*よく自分で作ったな*


P.S.

不登校気味なお前の在学費が勿体ないから、退学届けを代わりに出しておいたぞ!

もし、学校に行きたくなったら俺を名乗って行ってこい!


*もう意味が分からない*


それじゃ、元気でな!暫くしたら、帰るわ!



恵咲の愛する愛する片割れの恵志より』







「・・・・・・っ!!ば~か~や~ろ~~~っ!!」







何なの!?この手紙!?





突っ込みどころ満載過ぎて、我が片割れながら呆れるわ!






『俺の等身大の抱き枕』って、キモッ!


何故、作った?必要か!?それは、必要なのか?!





*ツッコム場所は他にもある*






「っ!てかっ!そこじゃなくて!

はぁ!?要らないとこの方が多くて、必要な情報が全く書かれてないんだけど!?」





そう愚痴を溢しながら、携帯を片手に急いで恵志の名前を探して、通話を押す。





♪~♪~~♪




『あ、もっし~?恵咲??どうしたん?』




数回のコール音の後、そんな呑気な声が聞こえてくる。





「どうしたん?、、じゃないよ!どういうこと?!

旅に出るって何?!全部、ちゃんと説明して!!」






電話口でそう怒鳴るとあっちで恵志が「うおっ?!」と言ったのが聞こえたが気にしない。