「ま、こんなもんか?」





そうして鏡に写るのは、黒のスキニーパンツに白のTシャツ、赤色のパーカーを着た恵志。





ではなく、私、恵咲だ。





元々、髪の色は2人お揃いの色素の薄い茶色。




髪の長さも私がショートにしているので、変える必要はない。





鏡の中には、紛れも無く恵志である恵咲が立っていた。






普通の人なら、見分けはつかないだろう。






つくのは、実の兄である恵雅位だ。






「じゃあ、そろそろ行くか。」






時計を見て、鍵を持ち家を出た。