空港にいる筈の恵志が目の前でいつになく真剣な顔で立っている。




そして・・・




「マジで頼む。恵咲。」




頭を下げた。





・・・馬鹿じゃないの。本当に。





いつもはこんな事しない癖に。





「・・・もう、分かったから。

代わりに出てあげるから、頭上げなって。

一人で頭下げてると、変人に思われるよ。」






そう答えると、恵志は頭をあげて笑顔になる。






そして、私の目の前から消えた。





「マジでありがとう。

この恩はぜってぇ返す!!詳しくはメールするから!」






余程、嬉しいのか声のトーンが上がっている。