教室に入るとななせの姿はなかった。

「ななせ知らない?」

「今日は電車にも乗ってなかったから休みかな?」
と隣の席の子が言う。

とりあえず、ななせにメッセージを入れて一限目に臨んだ。


昼休みになってケータイを開く。



でも、ななせからの返信はなかった。



心配になった私は電話をした。




「もしもし?ななせ」



つながったけど一向に返答がない。

「どうしたの?」



と聞くとななせとは違う人の声だった。

「誰ですか?」



と聞く私。


「ねぇもしかして、研修に行ってた田口さん?」




「そうですけど…」

「よかった。ごめんだけどさ。放課後、4棟2階の生物準備室に来てくれないかな?話したいことがあるんだよね」





「なんで?そこにななせはいるの?」




「いるけど。」





「今から行くから。」





私はパニック状態。


まず、だれなのかがわからない。



そして、なんでななせの携帯に出たのか。



生物準備室なのか?…


急いで生物準備室まで走った。

扉を開けると、朝とは打って変わって真っ暗になっていた。
「ちょっと誰なの?」




「あっ、きたきた」




目がだんだん慣れてきてはっきりと顔が見えるようになった。



「佐々木さん…?」





佐々木さんとはあの学校一かわいいと噂の子。