何をしても手遅れ。

どうにもできない。



「本当にすみません!!」



唐突な謝罪に、私たちは目を丸くする。


ランちゃんのほうを向けば、頭を下げていた。角度はぴったり90度。



「俺のせいで、皆に迷惑を……。や、やっぱり俺が独りでなんとかします!」



皆、息をそろえて、


「却下」


そう反論してやった。




「お前がめちゃくちゃ反省して、今までしてきた過ち以上に貢献しようとしてくれてんのは十分伝わってる。だけど、いくら元凶だからって、この問題はお前だけのものじゃない。俺ら双雷と神亀のものだ。お前独りでなんとかするものじゃないんだよ」


「つーか、そもそもお前独りでなんとかできる問題でもねぇよ。今俺たちが悩みに悩みまくってんのに、ここでじゃあよろしくってお前に任せられっかよ。できねぇ仕事を無理にやろうとすんじゃねぇ。償いなら、てめぇができることでやれ」




みーくんと、あず兄。

双雷と神亀の総長からの、厳しくも優しい叱責。



ランちゃんの頭はしばらくそのままだった。


小さく鼻をすする音がする。



ようやくアッシュグリーンの髪がふわりと持ち上がった時には、とてもいい顔つきになっていた。