私はベッドの脇にある花瓶に、持ってきた花を活ける。
消毒液の匂いに、花のいい香りが絡まって、なんか変な感じ。
「ムムム……」
「…………」
「え、えっと……世奈?あずき?」
花を飾り終え、ベッドの周りを囲ってる皆のほうに振り返ってみると。
……何してるんだ、せーちゃんとあず兄は。
「なんで俺のこと睨んでくるの?俺、何かした?」
「した!絶対にやっちゃいけねぇことを、お前はした!!」
「お前が入院してなきゃ、フルボッコにしたかったくらいだ」
「えぇ?何?身に覚えないんだけど……」
みーくんだけでなく、双雷組は全員怪訝そうに頭上に「?」を浮かべてる。
反対に神亀組……というか、せーちゃんとあず兄以外は、また始まった、と頭を抱えてる。
「翠、てめぇ……姉ちゃんと付き合ってるだろ!?」
せーちゃん、大声禁止。
ここは病院ですよ。
「あ、う、うん、そうなんだ。へへっ、萌奈と両思いになってカレカノに……」
「照れてんじゃねぇ!」
「そうであったのか。めでたいな」
「凰も祝福してんじゃねぇ!!」
相変わらず、双雷はマイペースだなぁ。
それからあず兄も大声やめてください。



