絶対領域





私を真似てパーマをかけた、その黒い髪も。

左側の毛先に入れた、華やいだ赤のメッシュも。

ミルクティー色の髪を撫でる、その大きな手も。

可愛くてかっこいい、人懐っこい表情も。


すばしっこくて、逃げ足が速いところも。

誰より熱くて、一生懸命なところも。

総長として責任感が強いところも。

私を守ろうとしてくれるところも。



言い出したらキリがないくらい、みーくんの全部が好きだよ。



天使に憧れてくれてありがとう。


私に恋してくれてありがとう。



「大好きだよ、みーくん……翠」


「えっ!」



ドキッ!

突然飛び跳ねた鼓動は……みーくんのだ。


もっと聴きたくて、みーくんの心臓に耳を当てた。



「は、初めて萌奈に呼び捨てされた……!」



視線だけ上にあげてみる。


みーくんは顔を真っ赤にさせて照れていた。



本当はね、初めてじゃないんだよ。

2回目なんだよ。


そう教えるのは、また今度にしよう。


双雷と神亀の決闘をちゃんと思い出にできたら……。




「……でも」


どぎまぎしながらも、呟かれる。



「やっぱり、萌奈がつけてくれたあだ名のほうがいいな」


「どうして?」


「呼び捨ては、まだ、心臓がもたないし……」



私だけの呼び方。

それだけでキラキラ輝く。



『「翠くん」を略して「みーくん」は?どう?』


『それっ!それがいい!』



今じゃすっかり当たり前になってしまったけれど、これは私とみーくんだけの特別な名前。


まるで2人だけの合言葉。



「うん。私も『みーくん』ってあだ名、好き」



これからも呼ばせてね。

そして、私の名前も、呼んでね。



明日も明後日も、この先ずっと。


みーくんの隣で。