絶対領域




ポロッ、と。

あっけなく、また雨が降った。


でもこれは、晴れ間に虹を架ける雨粒だから、いいんだ。



「ねぇ、萌奈」



今、呼ばれたら。

心臓が壊れちゃうよ。



「好きだよ」


「っ、」


「天使だからじゃない。萌奈だから、好きになったんだ」



ひだまりに似た微笑みが、温かくて……温かすぎて。


全身、赤い熱に侵される。



私も笑い返したいのに、うまく笑えないや。




「俺でよければ、萌奈のことをずっとそばで守らせてくれませんか?」




恥ずかしそうに、幸せそうに。


頬を赤らめて、プロポーズまがいなセリフを紡ぐ。


ずるい。

どれだけ私を泣かせるの。



「はい……っ」



嗚咽まみれな涙声じゃ、この一言だけで精一杯。


息苦しくなるほど泣きじゃくる私に、みーくんはあどけなく含み笑いをしながら両腕を広げた。



「萌奈」

おいで、と誘われる。


さっきまでピクリともしなかった足が、勝手に動き出した。


引き寄せられていく。



ゆっくり近寄っていく度、びしょ濡れの両頬が緩む。



好き。

大好き。


きっと、明日はもっと好きになる。




おもむろに腕を伸ばした。


腕を背中に回して、みーくんの胸に優しく寄り添う。



この想いを直接贈りたくて、きゅっと抱きしめた。