絶対領域





「俺は……萌奈が天使だから、惹かれてるんだと思い込んでた」


「え?」



天使に似てる、じゃなくて。

天使だから、って……。


それって。



「みーくん、知ってるの?私が“天使”だって」



驚きのあまり涙が引っ込んだ。


涙目を隠してた手を真下にずらせば、みーくんが鮮やかに映った。



ゆるくとぼけた、優しい顔。



「うん、実は……。黙っててごめん」


「いつ知ったの?」


「文化祭の日。萌奈、熱で倒れただろ?お見舞いに保健室に行ってみたら、話が聞こえちゃって……」



あ、あの日か。


そういえばあの時、悪魔と天使の話をしてたっけ。




「前にも話したけど、俺、天使に憧れてるじゃん?」


「うん……」


「天使は俺を変えてくれた人だから。俺を守ってくれた人だから。……だから、いつか恩返ししたいなって、いつも考えてた。今度は俺が、守りたかったんだ」



ようやく納得できた。


3日前、みーくんが『やっと、恩返しができた』って呟いた意味を。



やっぱり、みーくんは、私を守ってくれてたんだね。



「萌奈が天使だってわかってびっくりしたけど、それ以上に守りたい気持ちがもっと強くなった。それは、萌奈が天使だからこそ。……そう、勘違いしてた」


「勘違い……?」


「萌奈が双雷の下っ端に絡まれた時があったでしょ?その時、気づいたんだ。天使とか関係なく、萌奈のことを守りたいって」