絶対領域





「みーくん」


平常心を装っても、喉までは無理で。

ひどく震えてしまった。


だけどみーくんには気づかれなかったようで、ふわりとほころんでくれた。




背中越しに扉が閉まる気配がした。


たどたどしい足取りで、みーくんが横になってるベッドまでたどっていく。



一歩、また一歩。

みーくんに近づく度に、あふれる。


今まで自覚してなかった分を上書きしていくように、みーくんとの記憶であふれ返っていく。




『惹かれたんだ!どうしようもなく!』


『またこうやって皆と花火ができたら、俺はそれで幸せだよ!』


『なんていうか……綺麗、だったんだ』


『ぐちゃぐちゃになってた気持ち、忘れられたみたいだな!』


『萌奈、大丈夫!?』




……そっか。

そうだったんだ。



私は、ずっと、みーくんに守られていた。


知らないうちに、苦味も弱さも一緒に背負ってくれていたんだ。




「萌奈?どうしたの?」



思わず静止していた。


みーくんの元まで、まだ若干距離がある。



そばに寄りたいのに、行けない。



あぁ、どうしよう。


言いたいこと。

伝えたいこと。


たくさん……あり余るくらい、たくさんあるのに。



頭の中も、心の中も、いっぱいいっぱいで。



「……好き、」



これしか、言葉にできない。