絶対領域





「ほんとはすんげー嫌だけど、翠は姉ちゃんを守ってくれたし、姉ちゃんも翠に言いたいことあるっぽいし」



でも!

と、急に声を張り上げて、私を見つめてきた。



「あいつへの用が終わったら、俺の番だからな!俺が、姉ちゃんに言いたいこと、思いっきりぶつけるんだからな!忘れんなよ!」



耳たぶを真っ赤にさせて、ちょっとふてくされてる。


私の、可愛い、弟。



「うん!せーちゃんの気持ち、あとでいっぱい聞かせてね」



不満でも、泣き言でも。

私が今まで秘密にしてきた分だけ。


教えてくれたあとは、ちゃんと仲直りしようね。




「萌奈!」

洋館のほうから呼びかけられた。


反射的に顔だけ向ければ、扉の前にあず兄が立っていた。


続けて他の皆も、並ぶ。




「早く帰ってこいよ!」


「帰ってきたら説教?」


「ああ当然だ。ちなみにお前もだからな、万」


「げ、まじか……」




本気で嫌そうなバンちゃんに、あず兄は意地悪く口角を上げる。


私とバンちゃんに拒否権はありません。



「僕たちは先にたまり場に戻って、下っ端をしごいてるからね~」


「では我も、下っ端を教育し直すとするか」



ゆーちゃんとオウサマ……なんだか怖い……。


下っ端たちも顔面蒼白になって戦慄してる。