『ごめん。もう、お別れだ』
さよならのキスをした時から、今まで。
待っていた。
欲しかった。
その想いを、ずっと。
「わ、私、も……っ」
……あれ?
贈りたかった2文字が、喉元につっかかる。
声に、できない。
どうして。
じわじわと涙がこみ上げてくる。
この涙は、何の気持ちから……?
「――総長!!」
不意に、ランちゃんの焦った大声が鼓膜をつんざいた。
騒がしかった周囲が、別の意味でざわつく。
「だ、大丈夫……ちょっとよろめいただけだから……っ」
「で、でも、顔色悪いっすよ!?」
声のした方向では、膝をついてるみーくんをランちゃんとゆかりんが支えていた。
その周りでは下っ端が心配そうにしてる。
「どうしよう、みーくんが……!」
「萌奈」
私もあちらに向かおうとしたら、オリの手が頬から口元へなぞるように滑らされた。
お、り……?
反射的に動かしかけた足を止めて、オリと向かい合う。
どうしたの?
みーくんのところ行かないの?
聞こうとして、すぐ、やめる。
オリの視界には、私の姿が鮮明に刻まれていて。
「萌奈、お前はずっと、俺を守りたいと言ってくれてた」
今もだよ。
今だって、想ってるよ。
誰よりも守りたい、って。



