「萌奈!」

「姉ちゃん!」


「……見つかっちゃった?」



あは、ととぼけてみせても、効果なし。


あず兄とせーちゃんの顔つきがもっと怖くなるだけだった。



「勝手にいなくなるな」

「もうっ!捜したんだからねぇ!?」


「ご、ごめん……」



しん兄とゆーちゃんもわずかに息が切れている。


まさか病院中を捜しまわってくれてたの?




「万!お前もだぞ!」


「万さん、何やってるんだよ!しっかり姉ちゃんを監視しておいてよ!」


「なぜ万だけ残して行ったと思ってるんだ……」


「今回は8割方、バンのせいだからね~?」




うわ。

ほぼ同時に集中砲火を浴びせてる。


確かにバンちゃんから『会いに行ってみる?』って誘われたけど……。



「私がここに来たかったの!」



行くって決めたのは、私だ。



叱責がピタリと止んだ。


4人とも不思議そうにする。



「ここって、どういうことぉ?」


「802号室。ここにいるみーくんに、会いたくて」


「えぇ、ここにミドが……って、え?モエモエ今、ミドのことなんて呼んだ……?」



心なしか、語尾にいくにつれて震えている。


他の3人なんか絶句してる。

特にせーちゃんは、表情がごっそり抜け落ちるくらい驚愕していた。