幾度となく『ごめん』を繰り返した。
その分、涙もこぼれた。
その言葉と涙には、せーちゃんたち以上にオリへの想いが大きかったことに、さらに泣いてしまった。
ねぇ、オリ。
あなたはいつも守ってくれる。
私はあなたを守れてた?
これから、守れるのかな。
私、強くなれた……?
『……強く、なったな』
初めて新人いびりに巻きこまれた日に、オリが言ってくれた。
あの言葉、本当に嬉しかったんだよ。
――ガシャンッ!!
軋みながら奏でる子守唄が、途絶えた。
何かが割れる音が響き渡り、目を覚ます。
「姉ちゃん!すごい音したけど、大丈夫!?」
私の部屋に勢いよくせーちゃんが入ってきた。
「せーちゃん……おはよ……」
「おはよう。もう昼過ぎだけど」
寝惚け眼をこすりながら上半身を起こす。
せーちゃんはこっそり胸を撫でおろした。
お昼過ぎ?もうそんな時間?
土曜日だからか、夢のせいか、ぐっすり眠りすぎちゃった。
「それよりさっきの音って……ああ、これか」
棚付近に近寄り、かがむ。
床に散らばった破片をひとつ、慎重に拾い上げた。
「オルゴール、バラバラだね」
「これはもう修復できねぇな」