私の手をぎゅっと握り、私を連れて走り出す。
後ろからは、当然……
「おい、待て!」
「捕まえろ!」
不良の集団が追いかけてきている。
な、何なの、この意味不明な急展開は!
どうして私まで逃げなくちゃならないの!
あんな奴ら、ちゃちゃっと片付けられるのに!
そんな文句をぶちまけたい私なんて、おかまいなし。
学ランの男の子はゲーム感覚で、ジグザグ、適当に道を選んでいる。
中学生か高校生か、わからないけど。
私より2・3センチくらい小さい、犬みたいな男の子。
なのに、私の手をすっぽりくるめるくらい、大きな手をしてる。
あなたは、誰?



