絶対領域




私とバンちゃんも、オウサマの意見に同意だ。



紅組に喧嘩は売れない。

売ってはいけない。


敵に回したら最後、何もかも紅に染まってしまう。



だから守るんだ。


その方法しか、見当たらなかった。



でも、大丈夫。

大丈夫にする。


だって、私には、守備を強みとする神亀の副総長かつ最強に頼れる“悪魔”である、バンちゃんっていう味方がいるから。



最凶の極道であろうとなんだろうと、守ってみせるよ。


最後まで、ずっと。




『またこうやって皆と花火ができたら、俺はそれで幸せだよ!』


――うん、そうだね、みーくん。



私もまた、皆と花火がしたいよ。


ただひたすらに、この幸せにすがっていたいだけなんだ。




「だがな、トーキングでは、緋織氏の守りたい者は誰なのかわからなかったのだ。それからずっと疑問に思っておったが……まさか、ユーだったとは」



オウサマは頬杖をついて、微笑ましい眼差しを送ってくる。



なんだか照れくさくて、ぶっきらぼうにコーヒーを飲み干した。


底に溜まっていたコーヒーは、とっくに冷めていた。




脳裏に過る、大切な“あの時”。

ほんとはあの時間も、永遠に続いてほしかった。




「あの日、緋織氏が珍しくたまり場に客人を誘導した理由が、ようやく理解できた」



何やらボソボソ呟かれたが、ギャルたちの賑やかさによってかき消されてしまった。